料理と《思い出》

わたしは、幼い頃からやたらと料理に関心がありました。
なぜ、というわけではないのですが母の手元を見て、いろいろな食材が、いろいろな料理に変身していく感じが、すごいなあ、と思っていました。

今でもそう思います。料理ってすごいですよね。
野菜やお肉、魚などの単なる食材が、さまざまな料理に変わっていくのですから。
しかも、味付けや調理方法によって、同じ食材を使っても全然違う料理になるのですから驚きです。
煮る、焼く、蒸す、茹でる、炒める・・・など。また、季節によっても調理方法が変わってきます。
同じ食材を使っても、国によっても全く料理は違いますしね。

また、最近ではいろいろな国の調味料や香草、香辛料が輸入されてくるようになっています。
わたしが子供の頃は、食卓に上ることなどなかった料理が、今では普通に一般家庭の食卓に上っています。

香草、とういう言葉で思い出したのですが、以前東南アジアを旅行したときに、毎日香草が入った料理を食べていました。

それからかなりの年月がたったある日、ある料理の匂いをかいだときに、その東南アジアの旅行のときの風景や雰囲気が、一気に頭の中にうかんできたことがあります。
料理の匂いだけで、そのときの熱気や、まわりにいた人々、そのときの自分の気持ちまで、急に思い出が押し寄せてきました。
そんなこと、ありませんか。
それだけでなく、なにかの料理の匂いをかぐと、小さいときの思い出なんかも思い出すことがあります。

料理は、さまざまな思い出とも結びついていると思うんです。
ある料理を目の前にすると、あのとき母がこれを作ってくれたな~、とか、ある料理の匂いをかぐと、必ず思い出す事件とか・・・。

だから、親は子供に、思い出を作るという意味でも、ご飯をちゃんとつくってあげないといけないと思います。
わたしの友人で、両親が会社を経営していて、あまりに忙しく、小さい頃ご飯をほとんどほとんど作ってくれなかった、と言っていた友人がいます。信じられない話ですが、その友人は、クラスメイトの家で夕飯をご馳走になったとき、
「お母さんって、ご飯を作ってくれるものなんだ」
と改めて気付いた、というなんとも切ない話。
お母さんが台所に立って料理を作っていた、という記憶がないんだそうです。それはとても残念なことです。ちなみにその友人も、料理は苦手。

お母さんが台所に立って、子供が「今日の夕飯なあに?」と聞いて、キッチンにおいしそうな香りが満ちている、そんな雰囲気を子供に覚えていてもらいたいですよね。

上手でも下手でも、子供にとっては最高のお母さんの料理なのですから、一生懸命作って、料理とともに、思い出も作ってあげてください。

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